■Yuki von Murata氏より「ロシア・プーチン政権との北方領土返還交渉について」   

◆Yuki von Murata氏より
◆1.日本国側は返還方式を決定する必要がある
◆1-1.領土返還方式について
◆A:現時点では4島一括返還方式の可能性は一番低い。
◆B:3島又は2島返還方式の可能性はまだある。但し・・・
◆残りの島についての返還については、日本国の外交の力量が問われる。
◆2.ロシア・プーチン政権下での北方領土返還交渉の機会を逃すと
◆3 北方領土における資源
重要:返還交渉でロシア側の本気度がここで判断できる。
◆参考:1990年代のロシアの論文に北方領土の鉱物資源に関する様々な
公開情報はある。

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◆Yuki von Murata氏より
<<ロシア・プーチン政権との北方領土返還交渉について  
2013年3月9日

◆1.日本国側は返還方式を決定する必要がある

北方領土返還について日本国側が4島一括返還か3島又は2島返還方針か
決定していない。
勿論、日本国の最終目的である4島返還の到着点は理解できる。
が、外交交渉においての経過或いは手段が決定されていない。
言い換えると何をしたいのか決定されていない以上意見を述べられない。

また、私はこの問題について希望的観測は述べない。
むしろ、この北方領土返還の可能性は“極めて低い”という現状認識に立ち、
返還へのわずかな可能性を探るという前提で述べる。

◆1-1.領土返還方式について
◆A:現時点では4島一括返還方式の可能性は一番低い。
ロシア側の認識は第二次世界大戦の戦利品。日本側の認識とは異なる。
その他様々な意見、見解はあろうがここでは省く。

◆B:3島又は2島返還方式の可能性はまだある。
但し、この場合は、外交交渉でロシア側から残りの1島又は2島返還が
凍結あるいは以後残りの領土の要求はしないという妥協を求められる
可能性がある。
◆従って、残りの島についての返還については、日本国の外交の力量が問われる。

◆2.ロシア・プーチン政権下での北方領土返還交渉の機会を逃すと
当面このような機会はない。

根拠1:プーチンの後任、政権内或いはロシアの政治家の人材に
領土問題を積極的に解決する意思を示す政治家は見当たらない。

根拠2:プーチン・ロシア大統領はロシア、中国国境問題を解決した
実績がある。

なぜ、プーチン・ロシア大統領は領土問題を解決するのか?
将来の不安定要因の排除を取り除きロシアの安定を構築することを
目指している。但し、後任が引き継ぐとは限らない。

しかしながら、プーチン大統領個人の引き分けという考えとは別に、
ロシア側の北方領土返還の本気度がどの程度なのか疑問もある。(下記3参照)

◆3 北方領土における資源
重要:返還交渉でロシア側の本気度がここで判断できる。
ロシアの真意或いは本気度を探る情報収集及び分析は必要である。
また、返還交渉が成功するか決裂するかの要はここにある。

情報:ロシアは北方領土のエネルギー資源、メタンハイドレード等を
発見している。
(日本国側でも日本領土内の延長から同地域のエネルギー、鉱物資源等は推定できる)
その他鉱物資源、水産資源を保有している。
ロシア側はこれを“手放したくない”意向である。

◆参考:1990年代のロシアの論文に北方領土の鉱物資源に関する様々な
公開情報はある。
2013年の現時点では、上記の公開及び推定できるエネルギー資源等
(勿論ロシアの国家機密レベル或いは非公開情報もある・・・日本国も
自国のメタンハイドレード資源も公式には原発事故後の最近まで存在を
認めていなかった)がある。

◆情報分析の根拠:記憶が確かなら、
2013年某ロシア政府関係者が
「北方領土には資源があり、50年後に我々が掘り尽くした後なら
日本に返還してもいい」とする発言があった。
*:ファイルからすぐには出せないがその発言はある。
日本国・外務省ロシア課がロシア・オシント情報収集をしていたならばあるはず。

◆従って、繰り返しになるがプーチン大統領個人の引き分けと
いう考えとは別に、ロシア側の北方領土返還の姿勢がどの程度なのか
冷静に考慮する必要がある。

A:(ロシア側が持ち出してきて)返還交渉でこの資源の資産額に合う
巨額の交渉金額(日本側が想定していなかった金額)を提示する可能性がある。

B:或いは領土は返還するが既存のロシア企業の保有する資源の利権の保護
或いは保有を求める可能性がある。
日本側がこの提示をどこまで容認できるか検討する必要がある。
できない場合は返還そのものが座礁する可能性もある。

C:ロシアが日本に求めるもの(シールガスなどエネルギー政策の協力、
技術供与など・・・但し、アメリカの政策の逆鱗に触れない範囲で)
を提示し返還交渉の余地を残す。先方の出方次第では交渉の主力に
できるか想定しておく。

以上のように、北方領土返還交渉は難儀が予想される。
が、情報提供によってある程度の障壁を取り除けることができたとしたら
幸いである。
以上
Yuki von Murata >>
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