■YUKI von MUTATA氏からの福島原発事故レポート2部

◆これでは戦艦大和のような消耗戦ですね。
◆今日はドイツ推進国際基準をクリアする必要。
◆日本では販売できても、世界では販売できない。
◆技術者がプロフェッショナルというより傲慢なオタク化
◆“独りよがりのプライド”に依存する日本
◆このような姿勢では日本の地位低下は当然
◆人間が行うことに「絶対」はない。
◆「人間は間違わないという者がいたら、そいつは詐欺師かバカだ。」
◆不都合な事実を「言わざる」によって己の傲慢を顕示、

<<為替介入に1.5兆円、最終的に3兆円をつぎ込んだ模様。
金融緩和策のなかに供給量を増やすようです。

残念ながら国際金融から見れば、
日本はおめでたい。おいしいやつだと写っていることでしょう。
◆これでは戦艦大和のような消耗戦ですね。

さて、添付ファイル:チェルノブイリ原発事故報告2-1-5〜2-1-10をご送付致します
宜しくお願い申し上げます。ありがとうございます。
                          敬具
YUKI von MUTATA>>

筆者註:昨夕、夫インド人(=独+印の外交官的任務も務める貿易商)、
妻ドイツ人(=日本の北は北海道の突端、南は沖縄のその先まで訪れ
日本に関する書物を出版、特に文化に詳しいジャーナリスト)カップル
に招かれ、私たち夫婦は、夕方から約6時間ほど、談笑しました。
話題は尽きなかったのですが、当然話題に上った日本については
一言でいうと「日本は、今、世界から見放されつつあるという結論に至りました。
なぜか、日本のリーダー達が、世界情勢を正確に把握していず、従って
日本が今どのような状況=危機にあるか全く気が付いていない。
一部気が付いていても手がつけられなくてどうしようもない状態にある」
というのです。
今回のYUKI von MUTATA氏のレポートには、その理由が具体的に
指摘されています。
そういう意味では
氏のように一匹オオカミで欧州にじっくりと腰を下ろし、そこから日本
を凝視する。その視点こそが、今の日本にとって最も必要かつ
重要である、そう私は思います。

■YUKI von MUTATA氏からの福島原発事故レポート2部
2-1-6.次のハードルは国際基準
かつてSONYのウォークマンのように最初に製品を開発したメーカーが世界のシェアーを取れる時代であった。が、今日はそうではない

◆今日はドイツ連邦共和国が推進させる国際基準をクリアしなければ、日本製品は高性能、高級品であっても世界で売れない時代になった。日本は内需に応えるが、コストがかかる国際基準にあう製品製造にまだシフトしていない。日本は内需には限界があり、内需だけでは維持できないはず。

国際基準を認可させるために苦心した日本企業のケースもある。日本の発電・送電施設を開発した大手企業は単独ではこの国際基準をクリアできなかった。今日はドイツ連邦共和国が推進させる国際基準をクリアしなければ、
◆日本では販売できても、世界では販売できない。そこで、日本の大手企業は顧客の中国企業で、同時に欧州にとっても大口の顧客である中国企業を巻き込んで、当初認められなかった国際基準の一つの基準として認めるように働きかけることにやっと成功した。 逆に欧米、日本は今後、中国にコントロールされるかもしれない。

◆2-1-7次に技術者がプロフェッショナルというより傲慢なオタク化
これは携帯電話のガラパゴス化以外にも今回の福島原発事故にも繋がる要因である。
ある日本の大手重機メーカーは納入先の海外の顧客から、この大型機械のこの騒音が他社製品と比較するとうるさいから改善せよと営業担当者に要望があった。この優秀な営業担当者は、自社の技術者を伴って、現地で顧客と数時間話の要望に答えようと懸命に努力した。が、技術者は顧客の要望を無視し、「この音がいい」、「これがいい」のが判らないのだろうかと逆に顧客を説得させようと試みた。議論は数時間も平行線になった。顧客と営業担当者はあきれ果ててしまった。なんとか優秀な営業担当者の力で取引先の顧客との関係は保たれたという例がある。 私はグルジアの赤ワインを飲みながら、優秀な営業担当者の話を心理カウンセラーのように吐き出させ聞き、彼が普段ださないため息に深く同情した。

2-1-8このような例は、このメーカーだけでなく主に自動車関連会社にある種の機械を販売している会社の優秀な営業マンからも、海外顧客の要望に応えない技術者-日本の国立大学出身者で頭の固い自社の技術者達の自社製品に対する
◆“独りよがりのプライド”に難儀した営業マンの話も聞く。最近は日本のメーカーからのこの手の話が多い。

そこに中国、韓国メーカーが顧客の要望に細かく応えていけば日本のシェアーは奪われる。
あるいは日本はベラルーシ共和国やウクライナのような新天地すら開拓すらできなくなる。

2-1-9判りやすく置き換えるとガンダムの「この部分がいい!」「これが判らない?」という頭は優秀だが、
キレル・オタクあるいは傲慢なオタクの世界に近い世間ズレした技術者が増えた。
◆このような姿勢では日本の地位が低下して当然である。

2-1-10.8月加筆。中国新幹線事故について、日本では「絶対にない!」「あり得ない」と評価した日本の鉄道関係者、技術者が一部いた。これは奢り以外なにものでもない。日本の新幹線でもひやりとした事は何度かあったはず。
◆人間が行うことに絶対はない。

他にも例がある。過去に他の国での大震災で建物が崩落した惨状を分析しながら、建築技術者・学者は「我が国ではあり得ない。」と発言していた。が、阪神大地震では日本が誇る耐震設計に耐えられず「あり得ないことが起こった」。高速道路の転倒、崩壊が見られた。

今日、日本の原発開発した東京大学出身の科学者・技術者達が、福島原発事故前までは、スリースマイル、チェルノブイリ原発事故のようなことは「我々にはあり得ない。我々は彼らと違うのだ!絶対にない!」という自負があったと告白している。それは奢りなのだ。

それは、官僚は絶対間違わないという思想と奇妙な思想に感染してしまっている。このような考えは本来の真の科学者(*:人間は間違うという事実)の姿勢ではない。改めなければならない。*:ゲーテの言葉を借り、表現を変えれば、
◆「人間は間違わないという者がいたら、そいつは詐欺師かバカだ。」

先にあげた独りよがりのような技術者の精神と傲慢という要因の一つが原発事故を導いたという事にも繋がっていく共通項でもある。そして、地質学者からの活断層の存在を指摘「見ざる」、歴史家などからの過去の津波の存在「聞かざる」(関西電力は最近はじめて日本海側の津波、地震について聞いたかのような顔をしているが、実は震災前に聞いていた。嘯いている。)、耐震設計の見直しなどの無視、ボーリング調査の偽装などして、
◆不都合な事実を「言わざる」によって、己の傲慢から自己暗示とでも言う根拠のない安全を狂信的なカルト信者のように官僚、電力会社、地元行政、司法、御用学者はお互い洗脳しあって信じ込んだ。
事故直後も洗脳から解けないカルト信者のような傲慢な御用学者、そして今は出演しない彼等の当時の空虚な安全発言と重なっていく。・・・自然は人類に教えたはずだ。多くの人々の犠牲を伴って。

ミネルヴァのフクロウはさらに飛ぶ・・・。フクロウの目は漆黒の闇の中を見る。

次回:2-2. ベラルーシ共和国でのチェルノブイリ放射性物質汚染ついて述べる。