■米国の世界における後退が日本の足を引っ張っているようで・・・・

◆大高さんのコメントを拝見して
◆それはさておき、パレスチナVSイスラエル問題ですが、
◆今やパレスチナの国家承認は時間の問題
◆何よりもイスラエルにとって気がかりなのはシナイにあるエジプト油田
◆とりわけ01年の9・11事件後・・・、
◆なぜトルコはイスラエルに対してこのような強硬な措置を
◆日本もそのとばっちりをモロに受けている

■新著について
◆友人からの拙著読後感 ご主人(元自衛隊幹部)曰く『ほんとによく調べてるな』
◆でもこれで日本が栄えてきたことを考えると
◆長年ドイツと日本を比較しながら歯がゆい思いをしてきたクラインさんならではの視点

【魔都見聞録】パレスチナとイスラエル、「国」にかける思い
http://www.youtube.com/watch?v=G2pR_dZstlk&feature=youtube_gdata
上記の
◆大高さんのコメントを拝見して、ふと氏は政府関係の外交部門を担当
されても、外国との交渉で決して相手に隙を見せない外交術に長けている
人物、政治家として政治の世界に入り国会に飛び込んでも、
大いなる力を発揮する、人物とお見受けしました。

◆それはさておき、パレスチナVSイスラエル問題、今回国連にて初めてパレスチナ
自治政府のアッバス議長が9月23日国連総会において、
パレスチナの国家承認を求める加盟申請に踏み切リ、世界にその思いをアッピールしました。
多くの国連加盟国からは賛同を得たのはいうまでもありません。
この訴えに反対して国があります。
いうまでもありません。
イスラエルであり、イスラエルの強力な後ろ盾になっている米国です。、
米国はいざとなれば、例の常任理事国の特権である拒否権を行使して、イスラエル
をヘルプする意向です。
けれども、抜け道というのもあり、例えば、決議の採択に必要な9カ国が賛成すれば、
パレスチナにとって事実上、加盟を認められた形をとることが可能で,その気配が
高まっていることです。

現時点では、私のような部外者など、いったいどうなるものか、その動きを遠くから
眺めているより仕方がない状況にあります。
ただし、ここ数ヶ月における中東情勢の動きを見ていると、
◆今やパレスチナの国家承認は時間の問題である、そのような時代の流れを感じます。

その理由ですが、大雑把に2点挙げてみます。
一つは、今年になって北アフリカに芽生えた「アラブの春」=「ジャスミン革命」
がパレスチナ国家承認の背中を間接的に押していることです。
それまでは、エジプトなどムバラク強権政治の中で、イスラエルとエジプトの
関係は良好でした。
この関係がムバラク失脚とともに少しずつ距離を置くようになっています。
◆何よりもイスラエルにとって気がかりなのはシナイにあるエジプトの油田による利権=ビジネスを
失う危険が高まっていることです。
その証拠にエジプト+イスラエル間のパイプラインが
何者かの手によって、ムバラク失脚以後、9月27日までにすでに5回にわたって、
爆破される事件が起こっています。
その上。革命に手を貸しムバラクを倒した反政府側は、この油田ビジネスを
これまでとおりイスラエルとの間で継続するかどうか、明確な回答を行っていません。
その背景を忖度すると、どうやら、パレスチナにシンパシーをもつ、反イスラエル
グループがエジプトに少なからずいて、こうしたサボタージュを仕掛けていることです。、
二つは、イスラム組では大きな影響をもたらしているトルコの動きが反イスラエルに
回っていることです。
かつてトルコはイスラエルと非常に緊密な関係にあり、武器ビジネスを通して
定期的に合同軍事演習を行うなど、イスラム世界のなかではイスラエルと最も親しくしてきた国で、
こうすることで、良くも悪くも
その存在を誇示し世界ににらみを利かせてきました。
何しろ冷戦時代トルコは地理的に旧ソ連に接近していましたから、西側の防衛壁として
その役割を果たしていたものでした。
ところがその冷戦構造が崩壊し、やがて、21世紀に突入するや、その様相が一変して
しまいました。
◆とりわけ01年の9・11事件後、
イスラム世界の再興とでもいうべきか、
かつてのオスマントルコの「夢よ、もう一度」という民族の目覚めもあるのでしょうか、
加えて、イスラム系のタリバンやアルカイーダの登場による影響もあって、
トルコにも、独立独歩的機運の動きが出てきはじめたのです。
その底辺にあるのは何か。
いうまでもありません。
19世紀から世界を我が物にし、イスラム世界までも、植民地主義を
押し付けることで横暴の限りを尽くしたアングロサクソンを中心とした西洋白人優先主義への
報復です。
9月25日ですが、この日
トルコのエルドアン首相はCNNのインタビューでこう語り、再びイスラエルをけん制
しています。。
「ガザ行き船団急襲事件に対する謝罪、賠償金支払、ガザ封鎖解除が無ければ両国関係は
「以前のようには戻らない」と。

いやその前9月2日のことです。
トルコのアフメト・ダウトオール外相は
、駐トルコ大使などトルコに駐在するイスラエルの2等書記官以上の全ての職員に遅くとも
9月7日までに
本国帰国するよう求めるとともに、両国間の全ての軍事協定を停止すると発表しています。。

◆ではなぜトルコはイスラエルに対してこのような強硬な措置を行おうとしているのでしょうか。
事件の発端はは2010年5月31日にさかのぼります。
この日、パレスチナ自治区ガザ地区に向かっていた6隻の支援船団が向かっていました。
そこにはトルコのフェリーも参加していたのです。
そこへいきなりが、イスラエル軍が急襲し、フェリーに乗っていた9人のトルコ人が
射殺してしまったのです。

この事件に関しては国連の調査報告書の一部(ジェフリー・パーマー)元ニュージーランド首相率いる
国連の調査委員会がまとめた報告書)でもイスラエルが海上封鎖海域から十分に離れた場所で最終的な
警告なしにフェリーに乗り込んだのは過剰で非合理的だったと指摘しています。、
その一方で報告書では、イスラエルの船団側の言い分は無謀にも海上封鎖を正面突破しようとした上、
フェリーに乗っていた人々がイスラエル軍に組織的な暴力的抵抗をしたことも咎めています。
けれどもトルコはこの報告書に承服せず。
イスラエルが謝罪し、犠牲者の補償を行わない限り両国関係の正常化はないと繰り返し表明しているのです。
現時点ではアメリカが仲介に入ろうとしていますがトルコの怒りはやまず、
米国、国連もお手上げの状態にあります。

しかしそれにしても
◆米国の世界における腕力が鈍るということはこのような形で少しずつ
世界に影響を及ぼすことなのですね。

さて今後世界の動きはどうなっていくものか。
◆日本もそのとばっちりをモロに受けているようです。
日本政治の最近の著しい劣化現象ももそうで、その日本の政治機能がストップしている現状を見ると、
米国のかげりの影響は、ここが日本にもひたひたを押し寄せている、そんな気がしてなりません。

◆友人からの拙著読後感 ご主人曰く、『ほんとによく調べてるな』
岐阜在住の友人より(ご主人は自衛隊元幹部)
<<津波で原発がやられた直後、テレビのニュースで作業員の被爆してただれた足を見て、
あの恐ろしい広島長崎の被爆者の写真をすぐ思い浮かべました。
戦争でやられたわけでもないのに、なんと言うこと!

放射能の恐ろしさは骨身にしみてわかっているのに。なぜこんな危険なものを
わざわざ使うのか。
想定外のことが起こっただけでこんな危険なことになる原発は、絶対使うべきではない。
危機管理能力のない日本には、これからだって何が起こるかわからないのに・・・。

◆でもこれで日本が栄えてきたことを考えると、これをやめて日本にどんな道があるのか。
ほかの方法に切り替えて生活を切り詰めることぐらいは、今の日本人ならやるでしょう。
だけど、国力が落ちた弱みに付け込んで何を仕掛けてくるかわからないような
やくざな国に囲まれていて、果たして日本は生き残れるのか。

クラインさんの本は見事にそれに答えてくれました。
ここでもしたたかなドイツの例を引いて、かゆいところに手が届くという感じで・・・・。。
ただ世界に後れを取らないというだけでなく、やがて原発をもてあますようになるで
あろう原発大国相手に、その一歩も二歩も先を行こうというのですから、まさに目からうろこ。

これこそ国家の大計のなせる業。

それもなぜ国家の大計が立てられるのか・・・
◆長年ドイツと日本を比較しながら歯がゆい思いをしてきたクラインさんならではの視点です。
密度の濃い本に仕上がっていて、『ほんとによく調べてるな』って、
今読み始めた主人も驚いていましたよ。>>