■櫻井よしこ氏のTPP賛成論は隠蔽工作か、それとも無知によるものか

◆女性同士だから、多少遠慮して
◆この問題に関して、氏の姿勢はどうか。
◆その後の文章はこれにあれこれ形容詞をくっつけて
◆一つはアメリカだマンモス企業モンサントの野望
◆二つは遺伝子組み換え作物情報の欠如
◆3)遺伝子組み換え作物の利点
◆4)遺伝子組み換え作物の問題点
◆三つ目はEUのこの問題への対応です。
◆いずれにしても、言論人としては、理解しがたい行為
■さても、わが新著

◆アメリカ在住わが悪友グロース孝夫氏より
=「脱原発」に関するクライン孝子さんの新著
http://takaogross.blogspot.com/2011/11/blog-post.html

◆女性同士だから、多少遠慮して、櫻井よしこ氏に関しては、
出来るだけ、目を瞑って寛容であろうとする私だが、
どうやらここへ来て、そうもいっていられなくなってしまった、
言い換えれば、日本の状況が悪化してきて、切羽詰った中、
保守という同じ立場に
あるのだから、まあ大目に見ようと鷹揚に構えていられなくなったということだ。
というわけで、今後は、男女区別なく、これはおかしいと思うところは、
歯に衣を着せないで率直に指摘していくことにした。

特にTPP問題は今後の日本の国運にかかわる重大問題である。
◆この問題に関して、氏の姿勢はどうか。
浅川芳裕氏の『日本の農業が必ず復活する45の理由』
(文藝春秋)を大半引用することで賛成の立場を表明している。。

「 TPP参加で世界に打って出て日本の農業の未来を開け 」櫻井よしこ
http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2011/10/22/%E3%80%8C%E3%80%80tpp%E5%8F%82%E5%8A%A0%E3%81%A7%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AB%E6%89%93%E3%81%A3%E3%81%A6%E5%87%BA%E3%81%A6%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%BE%B2%E6%A5%AD%E3%81%AE%E6%9C%AA%E6%9D%A5/

中で気になったのは以下の大豆の部分。
<<たとえば自給率約5%の大豆である。日本の大豆需要は油原料用が
300万トンで、食用が100万トン、うち23万トンが国産である。
大豆製品は約2割が国内原料で、油原料用の大豆はほぼすべて輸入物である>>

◆その後の文章はこれにあれこれ形容詞をくっつけて、
正当化することで、最後にTPP賛成となる。
ところがこの文章、TPPのバックグランド=事情を知らない読者がこの文章を読んだら
なるほどと思われるという危険性があるから困る。、
なぜなら、この裏には以下のような事情があるのだが、氏はこの点を
なぜか、省いてしまっている。

◆一つはアメリカだマンモス企業モンサントの野望
山崎淑子の「生き抜く」ジャーナル!
http://enzai.9-11.jp/?p=4347

このマンモス企業モンサント企業ですが、
遺伝子組み換え大豆で米シェア9割を握っています。
特許権の厳重な保護とライセンス契約で優位を築いてきた企業で。
大豆の特許切れが近づく中、さて次は・・・・

◆二つは遺伝子組み換え作物情報の欠如
http://tom.as76.net/social/iden_s.php
(読売新聞が、国際アグリバイオ事業団の報告書を基に作成)
1)2009年の遺伝子組み換え作物の世界の商業栽培面積です。
.米国/栽培面積6400万ha/ 栽培作物大豆、トウモロコシなど8種類
2.ブラジル/2140万ha/大豆、トウモロコシ、綿
3.アルゼンチン/2130万ha/大豆、トウモロコシ、綿
4.インド/840万ha/綿
5.カナダ/820万ha/ナタネ、トウモロコシなど4種類
6.中国/370万ha/綿、トマトなど5種類
7.パラグアイ/220万ha/大豆
8.南アフリカ/201万ha/大豆、トウモロコシ、綿
9.ウルグアイ/80万ha/大豆、トウモロコシ, ボリビア/80万ha/大豆
合計で、1億3400万ha栽培されています。
遺伝子組み換え作物は、病害虫などへの抵抗力がついて栽培効率が
上がるために、10年で3倍に増えたそうです。

25ヶ国で栽培しており、 大豆 とトウモロコシで約80%を占めます。
しかし、本来の生態系に悪影響を及ぼす恐れがあるために、
2010年11月、名古屋市での会議で、企業側に補償を求められる
国際ルールが採択されました。

2)生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)、新ルール採択

生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)では、
遺伝子組み換え被害補償ルールを採択しました。2010.10.15

補足議定書では、輸入国で遺伝子組み換え作物が生態系に何らか
の被害を与えた場合、輸入国が事業者に原状回復や費用を求めたり、
被害に備えて基金や保険制度を作るよう要求できる初めての
枠組みができました。

◆3)遺伝子組み換え作物の利点

21世紀半ば、世界の総人口は100億人の時代となります。
食糧不足や地球環境の破壊が、深刻になることが予想されています。
遺伝子組換えの技術は、今後の食料問題や地球環境問題などを
解決するために期待されています。

遺伝子組み換え作物は、除草剤や害虫に強いことで農薬をまく
回数を減らし、農作業の負担を軽くし、生産コストを下げること
を狙いとしています。
1.除草剤の影響を受けない遺伝子組み換え作物・・・
特定の除草剤の影響を受けなくするタンパク質を作る遺伝子
が組み込まれています。そのため、その除草剤をまいても
枯れない農作物を作れます。
2.害虫をよせつけない遺伝子組み換え作物・・・
害虫の天敵である微生物から、特定の害虫だけを殺す
タンパク質を作る遺伝子を取り出して、これを農作物に取り
入れています。
3.日持ちがよくなるよう改良された遺伝子組み換え作物・・・
トマトやカーネーションがよく知られています。
これらには、果実が熟する時に働く酵素の出現を抑える遺伝子や、
果実の成熟や植物の老化を進める植物ホルモンの出現を
抑える遺伝子が取り入れられています。
畑で完熟してから収穫できるトマトや、今までより長い間花を
楽しめるカーネーションができました。
4.遺伝子組み換えの技術により、色変わりのカーネーション
なども開発されています。

◆4)遺伝子組み換え作物の問題点
1.人体への影響・・・遺伝子を組み換えることによって、
今まで眠っていた遺伝子が目覚めたり、逆に遺伝子が働か
なくなったりと、いろんなことが起こる可能性があります。
結局、実際に食べてどんな影響が出るかは私達の体で試される
事となると言われています。
2.生態系への影響・・・遺伝子組み換え作物は人間が作り出
したもので自然界には存在しません。そのため、生態系への影響が
問題になっています。組み換え作物は人間のコントロールを
超えて広がり、植物や昆虫の生態系を変えてしまう危険性も
あります。
3.遺伝子を組み換えは自然の摂理に反する・・・遺伝子組み換えは
「種の壁」を超える技術です。大豆に微生物の遺伝子を切り
とって組み込んだり、人工的に作った遺伝子を組み込んだりします。
理論的には、人間の遺伝子を犬や猫に組み込み、人間の遺伝子を
持つ犬や猫を作る事も可能だそうです。
4.特定企業の農業・食料支配の懸念・・・
現在、遺伝子組み換え作物を開発しているのは先進国の一部の
企業です。
それらの企業は、自分たちが開発した組み換え作物の種子、
販売権、特許などを持っています。このまま遺伝子組み換え
作物が世界中に広まっていけば、これらの企業が世界中の農業・
食料を支配してしまう懸念があります。

遺伝子組み換え食品[2006-2011]
http://homepage.mac.com/ehara_gen/jealous_gay/franken_food4.html

もさることながら、
◆三つ目はEUのこの問題への対応です。
アメリカ企業に対し以下
GMO(遺伝子組み換え作物)関する欧州の規則とWTO
http://www.deljpn.ec.europa.eu/home/news_jp_newsobj1582.php

とか

ルーマニア:遺伝子組み換え大豆、EU加盟で禁止か
http://janjan.voicejapan.org/world/0612/0612297295/1.php

という世界事情がある中。櫻井氏の情報にはこれらの情報が欠落
していることです。

ということは櫻井氏は

この情報をご存じないまま、賛成に回ったのか。
でなければ、
知っていながら、なんとしてでもTPP賛成にこじつけたいがために
一種の隠蔽工作とも取れる行為に加担することになったのか。

その辺はご本人にお尋ねするしかないのですが、
◆いずれにしても、言論人としては、理解しがたい行為であることは
間違いなく、このような方に、TPP問題はもちろんのこと、
軽々しく国家なるものを論じてほしくないと、
私は思いました。
■さても、わが新著

◆アメリカ在住わが悪友グロース孝夫氏より
=「脱原発」に関するクライン孝子さんの新著
http://takaogross.blogspot.com/2011/11/blog-post.html
なぜドイツは脱原発、世界は増原発なのか。迷走する日本の原発の 謎]
MARUZEN=丸善 ・ JUNKUDO=ジュンク堂
ジャンル : 日本論・日本人論 の検索結果上位
http://www.junkudo.co.jp/search.html#q=/ss=3/opt_genre_3=5511_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AB%96%E3%83%BB%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E8%AB%96
◆拙著のポイント
「次々に明らかになる真実・・・・
1」日本の経済復興を後押ししたのは原子力エネルギーだった!?
2)エネルギー争奪戦が戦争につながった!?
3)ドイツの脱原発路線は大震災前から決まっていた!?」と・・・
目次
<<図解による知っておきたい原発と放射能の基礎知識

(プロローグ)
福島原発が過去最悪の状態にあることを3.11に世界は知っていた。
 
第1章 3.11以降明らかになった”世界から取り残される”日本
第2章 誰も止められなかった唯一の被爆国日本の原発事故
第3章 福島原発事故を起こした悪しき日本の構造
第4章 世界を揺るがすドイツの「脱原発政策」事情
第5章 福島の”後”も世界での原発推進の空気は衰えない
第6章 エネルギー獲得競争に翻弄された世界史
第7章 ご先祖様の遺言がドイツを「脱原発」に踏み切らせた
第8章 日本は原発とどう向き合うべきか
(エピローグ)
日本よ、なでしこJAPANに続け!

アマゾンの拙著紹介ですと
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_21世紀を迎えた今世界は混沌としています。日本もその渦て
政治経済ともに、国際的視点に立脚し欧州からの情報収集が不可欠に
なってきています。欧州の国際情勢を日記風にまとめドイツ滞在歴40余
年の経験を生かし、現地よりレポートします。
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