■「戦い済んで日が暮れて」G8,NATO首脳会談という喜劇

「戦い済んで日が暮れて」G8,NATO首脳会談という喜劇
◆言いたい放談】秩序転換、EU再編と国際金融資本の問題
http://www.youtube.com/watch?v=ST4GuB8cpn0&list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg&index=7&feature=plcp
◆今回は上記のユーロ危機コメントに連携する形で、
◆まずG8サミット+Nato首脳会談ですが、
◆結果、この二つの会議のふたを開けてみたところ、
◆それに比べ他の多くのEU諸国、特に南部ではどうか。
◆すきあらば、ドイツの足を引っ張ろうと・・・
◆今一つドイツにはオペルという自動車会社に関しイギリスといざこざ
◆そうしたドイツ事情=ドイツいじめを痛いほど味わってきたドイツです。
◆メルケルとキャメロンが近寄り、互いに抱き合って祝福するシーンって?
◆そんな海千山千氏j化にとって、日本の野田首相など眼中になく・・・、
◆NATO会議は、G8首脳会談がイベント色だったのと比べて、真剣そのもの。
◆ところで、この後始末のお鉢はどの国に回るか。ドイツです。
◆ドイツにとって、ロシアを説得する役割など朝飯前! 理由は?
◆とはいうものの、今や瞬間に世界を駆け巡るネットの出現で・・・
◆フランクフルトでは5月19日開催のG8首脳会談に合わせて
◆警戒区域に入るには、私などプレス証を見張りの警官にみせやっと許可
◆なぜこういう厳戒態勢をとったか
◆さていよいよ19日(G8首脳会談日)ですが、あらら、和気あいあい
◆「戦い済んで日が暮れた」21日、再び現場を訪れましところ・・・、
◆◇◆
曽野綾子+クライン孝子共著「いまを生きる覚悟」
http://shop.chichi.co.jp/item_detail.command?item_cd=958
クライン孝子  著書紹介一覧
http://www.takakoklein.de/buch.htm

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◆言いたい放談】秩序転換、EU再編と国際金融資本の問題
http://www.youtube.com/watch?v=ST4GuB8cpn0&list=UU_39VhpzPZyOVrXUeWv04Zg&index=7&feature=plcp
◆今回は上記のユーロ危機コメントに連携する形で、
1. ワシントン郊外でのG8首脳会議
2. シカゴでのNATO首脳会議
3.  シカゴとフランクフルトでの「ブロキュパイ」デモ
に関して簡単にレポートしてみようと思います。
◆まずG8サミット+Nato首脳会談ですが、
1)アメリカ側は、来る11月に実施される大統領選における
オバマ大統領の再選を目指した選挙運動とリンケージさせるという、
シナリオ通りに運んだこと。。
2)そのために、欧州側(とりわけ独仏)が一枚かみ合う形で、それとなく
オバマに協力するしつつ、かつEUにも有利にことが運ぶように
仕組んだことを抜きにしては語れません。
その証拠に、サミット会議の前に、フランスの大統領選挙で
勝利したオランドが真っ先にしたことは何か。、
ベルリンを訪れ、メルケルと会談、しかも会談終了後、入れ違いに
アフガニスタンのカルザイもベルリンを訪れ、メルケルと会談しています。
◆結果、この二つの会議のふたを開けてみたところ、
G8ではフランス、NATOではアフガニスタンが
アメリカに次いで準主役となり、会議が進行したことが判ります。
いいかえると、ドイツがメルケルを通して、密かに裏方に回って、
この2つの会議のために準主役にどの国をおくことにしようかと思案し
汗をかいたこと
その理由とはいかなるものか。
ユーロ危機とはいえ、ドイツはEU中、ここ20年來の好景気に
見舞われ、失業率は下がり気味、最近の労使交渉では、賃上げ
交渉が成立して労働者はホクホクしています。
◆それに比べ他の多くのEU諸国、特に南部ではどうか。
ギリシャは破産同然、スペインやイタリア、ポルトガルを含め、
EUの主導国フランスさえも、不景気風が吹き荒れ、一般市民は
もちろん、異様な若者の失業率の高さが頭痛のタネとなっています。
イギリスなども
(英語圏でそれゆえ世界のニュースの大半を牛耳っていることもあって、
イギリスでは自国のマイナス点については、触れることを避ける傾向に
あり、その英国マイナス面を隠すために、出来るだけ別のニュース、例えば
オリンピックやエリザベス女王就任60周年記念式などを
盛んに世界に流すことで、国内の景気ずけにして世界の目を
ごまかそうとしている)。不景気に見舞われて、決して良いとはいえません。
そんななかでのドイツ一人勝ちです。周辺諸国としては、
いい気がするはずがない。賞賛を通り越して、嫉妬が渦巻き、
◆すきあらば、ドイツの足を引っ張ろうとします。
そして、何とかして、屁理屈をつけ、
このドイツ好景気を横取りできないものか、スキを窺っています。
例えば、最近では「ベルリンの壁」崩壊後、東欧諸国が次々と
ソ連から解放されたのを機に西欧ではかの諸国復興のために
1991年後、欧州復興開発銀行を創設しました。
ドイツではそのためにこれまで約1千億ユーロをつぎ込んできたといいます。
その効あって、いまやポーランドををはじめ、東欧諸国の景気は
良好です。これなども、不景気に見舞われているイギリスなどでは、
気に食わないし面白くない。。
金をつぎ込み、しかもあれこれ手を貸してマネジメント分野で
助言してきたのはドイツなのです。
となれば、この銀行のトップはドイツ人が占めるのは当然のことです。
ただそうすると、また、ジェラシーのタネを作ることになりかねない
というのでフランスにも声を描けて、暗黙のうちに独仏交代で、トップの地位を
占めるてきました。
ところが ここへきて、突然これまで東欧に無関心だったはずのイギリスが
横槍を入れ、(2008年からこの銀行のトップはドイツ人が占めている)
最近このポストに就く事になりました。
それだけではありません。
◆今一つドイツにはオペルという自動車会社に関してイギリスといざこざが
起っています。
この会社はもとはといえばドイツの起した会社です。
ところが1929年以降ゼネラルモーターズ(GM)の100%子会社
なってしまいました。
それゆえ、この会社はGM傘下にあります。ただし、製造はドイツの各地で
行っているのです。
ところがこれも
つい最近ですが、その一部が閉鎖され、ポーランドとイギリスに生産拠点を
移すというのです。
何度も、過去においてイギリスに、冷や水を浴びせられ、苦い経験を
して疑い深くなっているドイツ人のことです。
「さてはこれ、イギリス意図的な仕業ではないか。
銀行業で、英国経済を復興しようと大いに張り切っていたのが、リーマン
金融危機以後、このせっかくのイギリス復興策も頓挫した挙句、
大陸のEU諸国、特にドイツから、金融業カジノ化=イギリスという目でみられ、
批判を浴び、窮地に陥っています。
そこで、挽回策として、再び、イギリスもドイツに倣って製造業に力をいれることにしよう、
その切り口としてまず、GMを背後から動かして、ドイツ企業の一部を自国に移し
ドイツのダメージを謀ろうとしているのではないか」というのです。
◆そうしたドイツ事情=ドイツいじめを痛いほど味わってきたドイツです。
メルケル=ドイツはそのことを百も承知しているからこそ
今回もイギリスはさておき、
フランスとアフガンに当面、華を持たせて、一歩譲ることにしたのでは
ないか。
その結果サミットでは
G8首脳会議、緊縮策と成長促進策の両立目指すことで合意し、
http://jp.reuters.com/article/jpG20/idJPTK814871520120520
ギリシャ問題では、ユーロ圏残留が望ましいとすることで
なるようになるしかないとお茶を濁してG8を閉幕
しています。http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20120520-OYT1T00159.htm
このG8での最大の喜劇は、ちょうどこの会議中
ドイツ・ミュンヘンにてサッカー欧州CL、英独戦が開催され、本来なら、
ドイツ・バイエルンが優勝するはずなのに、最後PK戦で英国チェルシーが初優勝
しました。
http://www.yomiuri.co.jp/sports/soccer/foreign/news/20120520-OYT1T00116.htm
で、例のG8サミットで何が起きたか。
傑作なことに、彼らは何と、お互いにエゴ丸出しの無意味な会談を続ける代わりに
このサッカー戦をテレビで見て、一息つき、
やがて、勝ち目のないと予想されていたイギリスが勝ったところで、
◆メルケルとキャメロンが近寄り、互いに抱き合って祝福するシーンを世界の
ニュースで流すことで、英独のギスギスした外交をこんな形で、
逃げ切ることにしました。
下記はその写真
http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2012/05/20/article-2147076-132F89A9000005DC-587_634x391.jpg
http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2012/05/20/article-2147076-132F89E1000005DC-291_634x391.jpg
要するに今回のG8首脳会談の目的とは欧米大諸がこうしたG8サミットの
場を借りてお互いに傷を舐めあ、何とか取り繕うことで、
最後になって、表むきは、出来るだけ協力し合おうと確認することにしたのです。
◆そんな海千山千政治家にとって日本野田首相など、眼中になく、
首相のほろ苦”サミットデビューに終わるのは、「ギリシャ危機で発言なし 
消費税増税はむしろ後退 成長戦略も具体策ゼロ」など最初から
判利器っていいたことです。
特に日本の首相は小泉首相以後、、毎年毎年、入れ代わり立ち代り
変わっるだけでなく、効した国際の場での社交が苦手なうえ、
場慣れしていないこともあって、会場のムードにすっかり呑みこまれ、
おろおろするか、緊張してムードを楽しむどころではなかった。
ましてや国際オンチなうえ、ジョーク一つ英語で話せない首相など、
爪弾きにされても仕方がなたかったのでは・・・
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120520/plc12052021330009-n1.htm
その後、シカゴでは野田首相のお役ごめんとなるNATO首脳会議が開催
されました。
◆この会議は、G8サミット首脳会談が、イベント色だったのと比べ、
真剣そのもの、力が入っていました。
フランスがNATO加盟国による「ISAFのアフガン徹底は2014年
にみんなで一緒にやりましょうね」という約束をオランドが大統領選挙で公約
したことを理由に今年中に仏軍引きあげ加盟国に向かって宣言したのをきっかけに
他の加盟国も、この莫大なムダ金のかかる金食い虫派遣から一刻も早く抜け出したいと
思っていた矢先ですから、さっそくアフガンのカネとりボスのカルザイ
をなだめすかし、タリバンやアルカイダの不穏なテロの動きを事前に
キャッチするだけでなく、イランをも視野にいれたミサイルを設置する提案をし、
最終的にはカルザイもしぶしぶながら、了承することにしました。
いっぽう、ロシアはどう反応したか。
こうした情報をすでに会談前にキャッチしていたらしく、
プーチンはG8欠席を表明し、次いでNATO会議ではミサイル設置に反対しています。
◆ところで、この後始末のお鉢はどの国に回るか。ドイツです。
いわずと知れたドイツであることは、まず間違いないでしょう。
かつては東西ドイツに分断され、米ソ冷戦の最前線に位置していたドイツの
事です。米ソ両国のハザマににあって水面下で両国のスパイ役を引き受け
巧みに動いて最終的には念願のドイツ統一を達成しました。
これは東西ドイツのベテランスパイを抱えているドイツの諜報機関BND
の優秀性の一端でもあり丸。
◆そのドイツにとって、ロシアを説得する役割など、彼らにとっては朝飯前といって
いいでしょう。
したがってミサイル防衛稼働を宣言したNATO加盟国による首脳会議ですが、
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012052190105219.html
日本でのニュースでは「ロシアの反発を招く恐れも」などという見出しで
流れていますが、当事者(=当事国)=米英+仏独(露+中)などは、
それぞれエゴとエゴとぶつけ合いながら、
実は当面、お芝居をして愛想笑いと握手でその場をごまかしているといっても
決していいいすぎではありません。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0E3E2E2888DE0E3E2E7E0E2E3E09F9FE2E2E2E2
◆とはいうものの、今や瞬間に世界を駆け巡るネットの出現で、こうしたトリック
を見抜くけない道具がそろっている時代です。
無知を装って知らないと思っている民衆、とりわけ若者たちの目は総簡単に
ごまかせません。さっそく彼らは
NATO首脳会議の開催地シカゴに集合し、デモを仕掛け
一部は警察と衝突しています。
http://www.cnn.co.jp/usa/30006661.html
こうした現象は、当地フランクフルトでも頻繁に見られます。
昨年秋に例のウオール街で始まった「オキュパイ」運動の延長線上で始まった「ブロッキュパイ(=ブロリカード=封鎖)活動がそうで、
◆フランクフルトでは5月19日開催のG8首脳会談に合わせて
5月16日から19日まで4日間にわたって、欧州中央銀=EZB周辺で
デモ活動が展開されました。
(この周辺では世界のそうそうたる銀行約220行が集結していて
約7万4000人弱が働いている)。
私も早速、この様子を観察するために銀行の立ち並ぶ市内の中心地へと
出掛けましたが、その警戒態勢といったら、何しろ警官出動5千人体勢で
初日16日はそれほどでもなく警戒区域はEZBから2キロ以内だったのが、
18日には3キロぐらいに拡大し、銀行は無論、周囲の高級装身具店、
雑貨や食料品店、カフエに至るまですべて閉店し、いたることろで、飾り窓にはベニヤ板を張って、デモ襲撃に備えていました。
◆警戒区域に入るには、私などプレス証を見張りの警官にみせて許可をとり、
ようやく入るという厳しいものでした。
二度目に入るときは行く先を告げないことに入れないというので、思いつくままにホテルの名前を告げて潜伏したものです。
EZBの敷地内にはテントを張ってギャンブル反対者が占拠し、寝泊りし、
活動しているのですが、この日はテントは張ってあるものの、中は空っぽ!
見張りの警官の一人に尋ねたところ、みん危険だから警戒区域外へ追い出したとの事。
警戒区域を出てからは、周辺の繁華街を見て回りました。
所々、私服の警官が目を光らせている中、ブラックの服で身を固め警官も10人1グループで、街中を歩き、不穏なムードがになり始めると、彼らを
即座に取り囲み、追い払っていました。
◆なぜこういう厳戒態勢をとったか。市民の多くはその不満を漏らして
時には啓作官に当り散らしていましたが、それには理由があったのです。
実はその1ヶ月前の3月31日にも銀行反対デモが行われたのですが、中に過激派が潜伏していて、暴動化し、
一部商店の飾り窓が叩き壊されたり、それを鎮圧しようとした警官数十人が怪我をしたばかりか、その一人は、重傷を負うという事件が発生したからです。この失敗を繰り返さないように、二の舞を踏まないように、とりわけ市民に被害をもたらさないように
当局は万全を尽くしたとの事でした。
◆さて、いよいよ19日(G8首脳会談日)ですが、こうした厳戒態勢の効果あった事、久しぶりに好天気に恵まれたことで、2万人もの市民が、一部は子ずれで、左右を警官に守られながら、和気藹々とデモ行進を行っていました。
私も原則的に銀行のギャンブル+カジノ化には反対で、初期のころ(昨年10月ごろのデモ)には積極的に参加したものでしたが今回は、見物でするだけにとどめました。
◆「戦い済んで日が暮れた」21日、再び現場を訪れましたが、EZBの敷地内には相変わらず「オキュパイ」族が占拠し、テントを張って暮らしていました。
以上一連の報告、これで終わりにします。

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_21世紀を迎えた今世界は混沌としています。日本もその渦て
政治経済ともに、国際的視点に立脚し欧州からの情報収集が不可欠に
なってきています。欧州の国際情勢を日記風にまとめドイツ滞在歴
40余年の経験を生かし、現地よりレポートします。
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