■見出しの怖さ。従って記事を読むには、深読みをする必要がある。

シリアにサリン製造可能な化学物質輸出 独、02〜06年に100トン超
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130919/erp13091910520001-n1.htm
という記事を産経が扱っている。
これだといかにもドイツがシリアのアサド政権に協力しながら、実は
他人事のように装っているか、従って、ドイツがいかに要領よく国際社会
においてうまく立ち回っているか、誤解を受けかねない。
そこで、このウラ事情を簡単に説明しておこうと思う。
1)このニュースソースだが、ドイツの政党で旧東独体制に固執する、
つまり今にいたっても、当時の共産主義一党独裁体制を継承している=
「LINKS」という党であること。
2)ドイツでは9月22日、つまり目前に総選挙を控えている。
そこで、「LINKS}はこのニュースを前面におしだすことで、
票の獲得につなげること、もしくはこうすることで他の政党、
とりわけメルケル政権に対するイメージ破壊を謀っている。
3)但し、当時シリアにサリン製造可能な化学物質を輸出したころの
政権は社民党+ミドリの党のシュレーダー首相政権時代で、
メルケル政権とは無関係であること。それなのになぜ「LINKS}
葉ここに来てこのようなドイツダメージに類するニュースを
暴露しようとしたのか。
今回の総選挙ではメルケル首相率いるCDUが有利とされているが、
しかし、過半数をとるまでには至っていない。
となると連立を組むことになる。目下のメルケル政権における
連立政党である自由民主党は、選挙予想として5%を切りそうな気配で
悪くすると政界から消える運命にある。
そうなるとメルケル政権は、連立政権の対象として社民党か緑の党を
選択しなければならない。
ところが社民党はいまの時点では、メルケル政権とは連立する気がない。
(選挙前の単なるポーズかもしれないが、)という。
それならば社民党+緑の党+[LINKS]三党連立でどうかという。
これには社民党も緑の党も、色よい返事をしない。
そこで[LINKS]としてはこの2党に嫌がらせをしようとしているの
ではないか。
総選挙直前なだけに、少しはこの嫌がらせ、効果があるのではないかと
計算しているのだ。
と同時にこの問題では現政権にも責任の一端があるという印象操作を謀って、
メルケル政権のダメージにも手を貸している。。
それだけではない。国際社会及び政治においてもドイツマイナスイメージ
になるという一面をも計算に入れている。