■日本よ、安全神話のぬるま湯にどっぷりと浸かるな

働き蜂の企業戦士であった一老人氏より

<<日本からご無事に帰国され安心いたしております。
帰国後の体調はいかがでございますか?
(筆者註:体調を整えるために、ぶらぶらしております)

日本滞在中に目にされた実態のご感想はいかがでしたか?
(筆者註:節電でほっとしました。以前から冷房が効きすぎて日本の夏は寒すぎると思っていましたから)

3・11後の日本の現状、ボンボンの鳩山前政権時代から続く
菅・民主党政権の余りのお粗末さに、怒りを通り越して落胆の
深渕に埋没しようであります。

日本は、工作機や産業ロボットの分野で先端をゆく技術立国であると、国民の一人として長い間自負してきました。

ところが、未曾有の東北大震災で壊滅的な被害を被った福島原発では、炉内の被害状況を探査する日本メーカーのロボットがなく、海外から借りなければならないお粗末な実態を暴露し、それでもロボット先進国なの(?)と欧米諸国に笑われている
有様であります。

筆者は以前から、日本の科学技術の実態に疑問を抱いていた。

それは、二十数年前、日本近海の深海を探査する探査ロボットを欧州の国(スエーデン?)から借りなければならず、高額のリース料金を支払っていた事実を知っているからであります。

その金額は、開発費用が賄えるほどの高額であったと聞き及ぶ。

海洋国家の日本こそ、深海ロボットを開発し、海外に貸出すくらいの考えを持つべきなのに、ロボット先進国でありながら、
日本政府は無論のこと、
霞が関の官庁も、
ロボットを生産する業界も、目先の利益のことしか考えずに今日に至った。

この実態は、技術立国の日本としては恥ずかしいことである。

今回の原発事故によって、
各電力会社はじめ、
原子力委員会、
原子力安全保安院、
原子力学会等々の
能力のなさが完全に暴露されてしまった。

原発の問題に関しては、運転再開の賛否や、政府保証の有無、
脱原発の議論等が先行し、肝心の問題が語られていない。

今一番必要なことは、福島原発事故の教訓は、原発再開に先立つ重要な議論として、全国の電力会社に万一の場合のあらゆる事態に対応した防災対策を最優先で議論し、
更には、いかなる事態にも対応できる機能を備えた探査ロボットを常備すること
を義務付ける問題を並行して議論すべき時である。

技術立国、ロボット先進国の名誉に掛けても、その名に恥じぬ
探査ロボット(放射能測定機能は無論のこと、送受信機能付きの無人ビデオカメラや、その他の各種測定機能などを組込んだ遠隔操作機能の無人探査ロボット)を常備することを義務付けるべきであると考える。

戦後60年、平和を貪ってきた日本は、イザヤ・ベンダサン氏
曰く、”日本人は、水と安全はタダと思っている”と、揶揄されてきた。

”神風が吹く”の神話と同様に安全神話のぬるま湯にどっぷりと浸かってきたことを、今こそ真剣に反省し、真剣に見つめ直す機会と捉えなければ、平和で安全な経済大国・日本の明日の発展は期待できないと覚悟しなければならない。

事故防止の考えに基づいて、あらゆる事態を想定した安全対策を完備し、尚且つ、万一の事態を想定した対策の備えがあれば、原発ほど安価な発電設備は他にないはずである。

“何事も備えあれば憂いなし”である。

東北地方の未曾有の大災害に無条件で降伏するのではなく、今こそ、一億二千万の民が無条件で幸福になる道を追求しよう。

政界、官界、学界、産業界、そして、日本の次世代を担う世代に猛省を促す。>>