■YUKI von MURATA氏からの福島原発事故レポート2部

■YUKI von MURATA氏からの福島原発事故レポート
2部:ベラルーシ共和国、ウクライナのおけるチェルノブイリ原発事故関連報告
◆ミネルヴァのフクロウは、黄昏時にはじめて飛ぶ◆3月末ベラルーシ共和国を訪ねた
◆2-1.ミンスク-日本の低下を検証する
◆その後、ミンスク市内を縦横隅々まで歩いた。
◆日本は豊かになった中共ODA支援を見直

◆ミネルヴァのフクロウは、黄昏時にはじめて飛ぶ (ドイツ・ヘーゲルの法哲学より)
様々な意味がこの言葉にはある。大雑把に言えば、一般には滅び行く時代(文明)と新たに興る時代(文明、)という意味から、物事は終わってわかるという意味。あるいは古き知恵の黄昏時(終わる時)から新たな知恵の時代が到来の中で、フクロウ(知恵のシンボル)が飛び立つように、人間は歴史を歩むなどの意味など。あるいはローマ神話の知恵の女神ミネルヴァはギリシア神話の戦いと知恵の女神アテナのことであり、彼女が飼うフクロウは知識、情報のシンボルは黄昏時に飛び立つ。つまりインテリジェンス活動を意味する。

ここでは、読者の諸君は女神「アテナの目」である「フクロウ」になっていただきベラルーシ、ウクライナに黄昏に旅立ことにしよう。そして、原発は滅び行く時代なのか今後さらなる新たな時代となるのか。それは、パルテンノン神殿に戻り判断しよう。

◆3月末ベラルーシ共和国・外務省職員に私は質問した。「日本政府の福島原発に関する報告を信じますか?」職員は「日本国政府の発表を信じる。(外交儀礼かもしれないが)」と答えた。私はロシア政府の公式な認識と似たような意識で日本の情報を観ているという印象を得た。職員は私に質問を返した。「貴方は?」私は女王陛下にお仕えるイギリス人達がよくする意味あるスマイルで「私がもつ情報では、日本国政府の発表はまったく信用していない。事態は最悪の場合になっている場合もある。」と答え、それ以上の議論はしなかった。今日その職員がこちらにどのような印象を持っているかは知らない・・・あるいは忘れているかもしれない。

ベラルーシ共和国だけでなく、事故当初、ロシア政府も日本国政府の発表を信じていたような感触があった。日本国政府が事実を述べているならばという原発事故はなんとか最小限の被害で収まるのではという条件付であるが。

以下は原発に直接関係ないことだが、日本の経済低下の側面を織り交ぜて、最終的には原発問題に導いて記述する。

◆2-1.ミンスク-日本の低下を検証する

深夜、満月の夜に飛ぶ鶴をシンボルに揚げるドイツ・ルフトハンザ機は濃い霧ミンスクに到着した。強制的にベラルーシ共和国が課する保険に加入しなければならない。たった一人の係員の女性に群がる乗客。滞在日数によって支払う保険加入金額が異なる。乗客が何日ベラルーシ共和国に滞在するかしばらく行儀よく観察していた。平均4-5日が多い。仕事であれ、観光(観光は開発中。)にしろそれで十分な国だということだ。私は最後の方に代金を支払った後、パスポートコントロールを通過する。深夜空港から市内へ向かう。頭の中に記憶した地図を頼りにミンスクの町並を再確認し土地勘を養った。が、濃霧が邪魔する。ホテルにはロシア式でなくフインランド式サウナーがあった。フインランド人の友人が喜ぶ顔を思い浮かべながら部屋に入った。早速、TVでBBC、CNN、ウクライナ、ロシアのニュースを見る。日本の震災・原発に関するニュースを伝える時がある。まるで、日本政府の情報でなく、国民に真実を隠蔽する中南海(中共政府)の発表かと錯覚してくる。しかし、世界の関心はもはやリビア情勢だった。シャワーを浴び睡眠せず早朝へ行った。早朝に席につくには訳がある。広い朝食の部屋をたった一人で多数の係りがいる中で、食事する館の主のような気分を味わう事ができる。そして、朝食に時間かけて後から入ってきた客を館の主が見るように、会話の言語から客質を見定めた。滞在中通して、複数のドイツ人、手首を内側に曲げ、カマキリの食事のように見える個性的なホークとナイフを持ち方で食べているアフリカ人、東南アジア、ロシア・ベラルーシ人、比較的多いのは顔の表情と同じくまだ垢抜けていない服着ていた中国人達だった。朝食で代表的なベラルーシの料理がほとんど体験できるようだった。

◆その後、ミンスク市内を縦横隅々まで歩いた。大型書店は市内に主に2店舗あるが、広さは25mプールぐらいで、ドイツや日本のような書籍、雑誌を誇っていない。書籍は限られている。つまり、情報量は少ない。教育の程度もそこからおよそ測れる。民芸品、民族衣装は比較的高価で品質は北欧のように極めて高い。つまり、高品質の製品を作れる技術基礎、マインドはある。建物の多くのエアコンの室外機は韓国メーカーのLG製だった。ミンスク駅近くのメイン通りの裏通りに日本のPanasonicの会社があることを見つけたが、市内の家電、デパートに当然ながら日本の携帯は無い。フインランドのNOKIAや韓国メーカーが主だ。白物家電はドイツブランド(但し、ドイツ製とは限らない)Braun,Siemens,BoschオランダブランドPHILIPSなどがメインである。

このような現象はウクライナ、モルドヴァ、中央アジアのウズベキスタン、キリギス、カザフスタン、モンゴルなどでも同じである。モンゴルでは1990年代、輸入自動車は日本製占めていたが。が、2000年代には韓国製・現代車が多くなっていた。ミンスクでは寿司バー(惑星すし!日本人の感覚ではありえなインパクトのあるネーミングだ。食べていないから味はわからないが。)と日本車を除けば、残念ながら日本製はほとんど見かけない。 

ただ、ロシア、ベラルーシ、ウクライナは現地人(自称日本人に化けるアジア人でない)による日本料理店や寿司バーをよく見かける。多くの日本人には想像できにくいだろうが、まだ物質に豊かではない、質素な彼らがクールなジャパンに憧れるその心情も理解できる。

◆日本は、豊かになった中共へのODA支援を検討すべきである。新幹線技術のように日本が技術提供しても中国の独自技術開発と嘯く中共にODA支援は必要ではない。むしろ、ベラルーシ、ウクライナ、コーカサス、中央アジアなどの国々に支援し、日本のファン(友、味方)を増やす方が有益である。わかりやすく置き換えれば、例えば、ウクライナ人が日本(ドイツも)に来るのは、日本人がアメリカに憧れるのと似ている。 この日本に対する好印象を日本メーカーも日本政府と同じく十分生かしていない。日本メーカーは匠のような高級品でなく、彼らが望むスペックで日本ブランドの東南アジア製。あるいは東欧製で販売するほうが、高い広告代より安く、広告同様に効果があると思うが。それが将来の顧客拡大に繋がるはず。

次回:2-1-1韓国企業がなぜ伸びたか分析してみよう。
本日のニュース:8月3日HITACHIが日本の得意分野であったTV自社生産撤退する。
以下の投稿文は参考になるだろう。