■YUKI von MURATA氏の原発レポート:3-2

◆YUKI von MURATA氏よりうれしいお便りです。拙著参考文献に氏のレポートを明記
◆この原発分野は軍事・情報とも関連がある分野
■YUKI von MURATA氏の原発レポート:3-2
◆3-2エネルギー政策・・・石油・天然ガス依存の危険性
◆ロシアからのパイプライン供給による石油・ガスのエネルギー依存に安全保障上問題
◆3-2-3重要なポイント:日本が石油ショックによって、原発にシフトした事に対し


◆以下YUKI von MURATA氏よりうれしいお便りです。
(筆者注;なお拙著の参考文献”ブログ”欄に氏のレポートを明記させていただきました。
まだゲラの段階でしか拙稿を見ていませんので、今からいったいどんな本になっているのか
緊張しつつ楽しみに待っているところであります。
担当の編集者逸見氏のお話だと、私の手元に到着するのは9月12日ごろとのことですが・・・)

<<9月13日に出版されるクライン孝子著
「なぜドイツは脱原発か、世界は増原発なのか。迷走する日本の原発の謎」
非常に興味深いので是非至急手配させ購入させていただきます。

◆この原発分野は軍事・情報とも関連がある分野で、
かつこの私も原発については多くを知っているが、それは世界の裏
(タブー)=情報操作・・・の世界。

例えば
オーソン・ウェルズの1984のような情報操作されて家畜化された無知でありながら
無知でないと信じている大多数の世界。人々に真実を伝えない。

でも現実の世界も大して変わらない。戦争、事故、大災難にならないかぎり、
その事を多くの人々は気づかない。

正に偽りが横行する世界の原発の裏の顔は軍事産業体の利権の世界ですからね。
その内容によっては、それなりの覚悟がいるでしょうね。
あるいは立場によってはギリギリの間合いを取る必要があるでしょうね。

日本の原発賛否の本にはない、ドイツからの視点で切り込んだ内容だと思います。
尊意を込めて、本を拝読できる日が来る事を楽しみにしてます。
敬具>>
                                   
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■YUKI von MURATA氏の原発レポート:3-2
◆3-2エネルギー政策・・・石油・天然ガス依存の危険性
(当時の日本の国家戦略ということで理解する必要がある。ここでは石油、天然ガス依存
あるいは原発の是非について述べない。)

3-2-1 1973年にOPECの原油供給減産、いわゆるエネルギー・クライシス(オイルショック
あるいは石油危機)によって、価格高騰により。高度成長する日本経済の混乱が生じた。
これを機に日本は石油のエネルギー依存から、原発エネルギー(1973年日本全発電量の2.8%が原発
)の拡大へエネルギー政策を変換させていくことになった。

◆3ー2-2石油・天然ガス資源エネルギー依存の危険性の例

1ロシア・グルジア紛争(石油)
表向きの両国間の武力衝突には、ロシアのエネルギー資源覇権の目的もある。カスピ海・
アゼルバイジャン・アゼリ・チラグ・グネシュリ油田をロシア経由でなくグルジア・
首都トリビシ、トルコ・ジェイハン港からヨーロッパへ抜ける世界第二のパイプラインの
BTCパイプライン(バクー・トリビシ・ジェイハンパイプライン)によって、エネルギー資源を
輸出するグルジアに対するとロシアのエネルギー覇権争いの目的がある。
尚、カザフスタン・トルクメニスタンもロシア経由でなく、自国の油田・ガスもこのルートで
輸出を望んでいる。

◆ヨーロッパはロシアからのパイプライン供給による石油・ガスのエネルギー依存に安全保障上問題
がある判断しており、ロシア迂回、グルジア・トルコへ延びるパイプラインからの供給源の確保
を望んでいる。つまり、エネルギーをロシア依存にした場合、ロシアの意向によって、コントロールされる
可能性が高くなるからである。
*著者はアルメニア・グルジア・アゼルバイジャン視察で考えた尖閣諸島と国家の独立も
機会があればチェルノブイリ原発事故報告同様に報告したい。

2ロシア・ウクライナ紛争(天然ガス)
天然ガス供給・料金に置けるロシア・ウクライナ両国間での継続紛争。
このため、2006年紛争ではヨーロッパ諸国は天然ガスの供給不安定問題解決にために
天然ガス供給源の変更、原発依存、自然エネルギーのなどによるエネルギー政策の転換に余儀なくされた。
2008年ヨーロッパ諸国への影響は回避。2009年ブルガリア、マケドニア、ギリシャ、トルコで天然ガス供給停止。

3ロシア・ベラルシ紛争
2007年、ドイツ連邦共和国、東ヨーロッパ諸国供給が停止。

これらの例のように、石油、天然ガスなどのエネルギー供給源をある特定の資源国に依存をすると、
その資源国の政策にコントロールされる可能性がある。(*)その意味では、
1973年当時の石油、天然ガス資源もなく、
未熟な技術だった太陽光、風力にシフトはできない日本政府は原発に依存する方向へ向かう判断に至った。
この事は欧米日本の過去植民地政策を今日の国際基準から批判しても意味がないように、
あくまでも当時の価値観と状況から判断された結果と理解しなければならない。
(ただし、著者は原発を肯定している意味で上記の例を挙げて述べているのではない。)
(*)中共のレアメタル独占と日本への輸出にあたりレアメタルを必要とする日本企業に先端技術の
公開要求を条件に輸出を許可ようなケ−スもある。

◆3-2-3重要なポイント:日本が石油ショックによって、原発にシフトした事に対して、
ドイツ連邦共和国をはじめとするヨーロッパ諸国はチェルノブイリ原発事故を機に自然再生エネルギー発電
へシフトする動きへ向かった。そして、ドイツ連邦共和国はそのシェアーをゆっくり確実に高めていった。
その結果今日のように、急に政府による原発停止決定を下されても対応できるような体制を築き上げてきた。
ここが、日本とドイツ連邦共和国の非常時における国家の危機管理意識におけるヴィジョンの違い。
日本の解決策の提案として後述する。

問題は、1990〜2000年代に日本が原発によるエネルギー政策を見直さず、同時に最先端を走っていた
自然再生エネルギー発電へシフトする政策及び技術競争に力をいれずその結果脱落し、
ドイツ連邦共和国などの国々に抜かれた。つまり原発政策に執着した日本の国策と電力会社の無策にある。

次回:3-3に続く。 YUKI von MURATA


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_21世紀を迎えた今世界は混沌としています。日本もその渦て
政治経済ともに、国際的視点に立脚し欧州からの情報収集が不可欠に
なってきています。欧州の国際情勢を日記風にまとめドイツ滞在歴40余
年の経験を生かし、現地よりレポートします。

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メルマガ発行者: クライン孝子 (フランクフルト在住 )

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