■YUKI von MURATA氏からの「シリア情勢レポート」

■YUKI von MURATA氏からの「シリア情勢レポート」
◆◇◆
曽野綾子+クライン孝子共著「いまを生きる覚悟」
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(註;弊社HPでもご紹介させていただいております。
http://www.chichi.co.jp/book/20120423_gendai.html
致知出版社 番園雅子拝)=
として曽野さんとの対談が大きくとりあげられましたことで、
多くの皆様から、本を手にしての感想メールが届いています。
ありがとうございます>>
◆さてもYUKI von MURATA氏より貴重な「シリア情勢レポート」
◆<<2.シリア・アラブ共和国情勢とイラン
◆2-1.国連安保理
◆2-2反中国人及び反ロシア人感情が高まる
◆2-3シリアの体験談と現在のシリア情勢
◆2-3-1シリアの情報統制
◆2-3-2-1シリアの監視・密告社会と内乱
◆さらなる日欧米豪印同盟強化を行なう必要がある。
◆2-3-2-2中東における独裁政権の側面
◆2-3-3シリアとイランの強い繋がり
◆2-3-4裕福な湾岸のアラブ諸国(イエメン除く)のイラン
================================
◆さてもYUKI von MURATA氏より貴重な「シリア情勢レポート」が届き
増したので、掲載させていただきます。
◆<<2.シリア・アラブ共和国情勢とイラン

◆2-1.国連安保理
シリア制裁についてロシア、中国が国連の安保理で
拒否権を行使した。
それに対してアメリカ合衆国はこれらの国を非難した。
だが、内心一番ほっとしているのはアメリカ合衆国や
イスラエルかもしれない。
このシリア情勢を中心にした視点でみれば、
中東エリアは膠着状態である。
もちろん、長期的にはアメリカ合衆国はシリアの
現政権が打倒され、穏健派の政権が成立することを
望んではいる。

スニン派アラブ諸国(裕福アラビア半島の諸王国)
は現在のシーア派・アラウィ派
(シリアの支配階級10%強、シリア国民の大半はスニン派)
アサド政権を批判する一方で、自由化で新たな混沌
となる勢力がシリアから自国(オイルマネーで潤う
裕福なスニン派のアラブの諸王国で王制の廃止など
の影響を与えるようなことがないように)へ広がることは
望んでいないと見ることができる。
このことから多くのアラブ諸国は適度なスニン派
シリア市民の支援とアサド政権批判をする程度に
留まっていると言ってもよい。
言い換えれば、シーア派・アラウィ派アサド政権が
スニン派市民と対話し、もう少し穏健路線を歩み、
シリアから混乱を国外に持ち出さないで欲しいと
いうのがスニン派の裕福なアラブ諸国の本音である。
アラブ諸国もアラブ諸国も本格的にはシリア問題に
関して動きたくない、
あるいは動けないと言うのが本音である。

他方シーア派のイランと同じくシリア内では少数派である
シーア派・アラウィ派のアサド政権との繋がりは強い。
また両国はヒズボラ(レバノンでのイラン型イスラム共和国
)とイスラム原理主義組織ハマス(パレスチナのイスラム)
への支援がある。それ故にテロ支援国家と言われている。
このような関係からイランとしてもシリアに対して
シリアの現政権がこれらの両組織をうまくコントロール下
に置くことが重要であり、両組織の内のヒズボラが
暴走またはアサド政権への内乱という対立を望んでいない。
それはイスラエルへの牽制という均衡を失うことにも
なるからである。この均衡を壊したくないと本音がある。
故にシーア派のイスラム社会から見てもやはり
シリア情勢は膠着状態であると見てよい。

他方、イスラエル、アメリカ合衆国もアラブ諸国の問題に
深く関わりたくはないのが本音である。
それにシリアは石油、天然ガスといったエネルギー資源が
豊富でないということもある。仮に国連で可決されていたら、
困るのはアメリカ合衆国だと言うことは、
アメリ合衆国がシリアに介入した場合のアラブ諸国の
反応あるいはこの地域の政治バランスの変化を想定すれば
理解できよう。
もちろん、イスラエルが介入(イスラエルの生存に関わる
事態以外は介入しない)することはアメリカ合衆国の
介入以上にアラブ諸国は望んでいない。
更なる混乱と破壊をもたらす事になる。
そのことをイスラエル自身は理解している。

さらにイランへの攻撃も絡むとこの地域が膠着状態で
あった方がアメリカ合衆国、イスラエルにとっても有利
でもあると見てよい。

◆2-2反中国人及び反ロシア人感情が高まる
現在、シリアではスニン派の多く市民は反中国人
及び反ロシア人感情が日々高まっている。
現地に滞在する東洋人及び欧米人は中国及びロシア人に
間違えられないように注意したほうがよい。
現地ではアフリカで傲慢な中国への反感から中国人が
殺害されるような事態はまだ聞かないが、
中国人及びロシア人に対して「殺す」「殺したい」
「殺してやりたい」など言うス二ン派市民が増加している
と報告がある。
貴方が日本人あるいはドイツ人である場合は問題ありません。
(ただし、アサド政権側からはジャーナリストに対する
制限はある)
ただし、反アサドなどと現地で軽率に公言しないこと。

◆2-3シリアの体験談と現在のシリア情勢
シリアはイスラエルの情報部員エリ・コーエンが
シリア政府要職に潜入活動し、逮捕され処刑された
国である。
著者は女王陛下の大英帝国・ロンドンで彼の活動に
関するレポートを読んだ数ヵ月後にシリアを初めて
訪問した。当時はハーフィズ・アル・アサド大統領
(前アサド大統領・現大統領の父)が統治していた時
であり、当時はまだソ連の強い影響下があった。
ヨルダン王国・首都アンマン国際空港で、
シリアに行くならヨルダンで両替したほうがレートは
いいと銀行から忠告を受けた。
両替した紙幣はシリアの入国検査に引っかからない
ようにマジシャンのように手のひらからお札を消す
しかないが。ルフトハンザー・ドイツ航空が優先予約で
確保したロイヤル・ヨルダン航空はこれでもかという
鉄腕アトム(アストロボーイ)の主題歌のように
繰り返される様々な角度から撮ったヨルダン航空機と
自我自賛のような自社PRの映像は興味深いものだった。
やがて、色あせたそしてくたびれたソ連製航空機
ツポレフのシリア航空機などが並ぶダマスカスに
夜中に到着した。(今日はカラーや機体は以前より
洗練されている。)東側陣営の影響下があったため、
信条として西側陣営では最高級の贅沢をするときも
あるが対立していた東側陣営には余計なお金
(外貨獲得)は使用したくなかった
(東側陣営の政治・非合法活動などに還元されるからだ。)。
ホテルは予約せず、真夜中にタクシーで市内の一番安い
ボロ宿(睡眠と荷物の保管だけ)で英語、ドイツ語が
通じない宿主とドイツ語が話せる運転手を介し交渉し
外国人向けの公定料金をさらに値下げさせた。
現金を先払いし、外国人宿泊に関する情報などの
提供は必要以上に避けた。
夜はゴキブリなどが、シャワー、トイレ、野戦病院に
あるような金属パイプのベットの下の床をはいずっていた。
スーツケースやドイツ製高性能装備品類はもう一つの
ベットの上に置いた。
持参のドイツ製虫除け剤を散布して寝ていた。
森やジャングルの中よりましだ。カーテンはベットの
シーツより薄い。明かりをつければ外から丸見えだ。
夜空の明かりで部屋の中を動くしかなかった。
この宿の目の前には最高級ホテルがあった。
早朝はこのような高級ホテルで、このようなホテルに
相応しいあつらえのいい英国調の服装で、
英国で食事に満足したければ朝食を二回食べればよい
というように、一日分が十分足りるぐらいの食事をした。
実際、昼や夜も軽いスナック程度か取らない時も
あるぐらい市内を縦横に動き回る日もあるからだ。
同時に当時のアラブ諸国でありがちな野菜不足を
ここで解消していた。
このシリアの監視社会の痕跡を可能な限り消すために
全て現金で処理した。

◆2-3-1シリアの情報統制
ダマスカスは聖書に記述されているぐらい古く歴史が
ある大都市である。
他のオイルマネーで潤うアラブ諸国と異なり、
シリアは豊かではないアラブ諸国の一国の印象を与えた。
シリアは冷戦下の東欧の共産圏同様にメディア情報が
管理されていた中で、安宿の前のこの高級ホテルでは
シリア国内、ダマスカス市内の情報を徹底的に入手した。
(インターネットがない時代だ。
ローテクつまり手と足で情報を入手する時代。)
また人気のないホテル内のビジネスセンターの近くの
通路の壁は海外ニュース(英語)ロイター電などの
テレックスがあり随時読む事ができた。
毎日寄って読んでいた際に、昭和天皇陛下の崩御を知った。
(通常時期を特定させる情報は与えないが、
これで著者の滞在時期は判明するだろう。)
このシリア・アサド政権の国民への情報統制は
ご承知の通りインタネット時代の今日も続いている。

◆2-3-2-1シリアの監視・密告社会と内乱
ハーフィズ・アル・アサド政権は監視・密告社会であり、
多くのシリア市民が政権によって消された。
今日の息子のバシャール・アル・アサド政権も
継承され前アサド政権以上に市民への弾圧が行なわている。
ご承知の通り、シリア各都市が軍による反アサド派の
市民(その多くはスニン派)への砲撃、
都市の炎上(衛星写真からも確認できる)、
市民の殺害が行なわれている。
一部のシリア市民は隣国のレバノン、トルコへ避難して
いる状況である。シリア市民の中には「なぜ国際社会は
我々を助けないのか!」「アメリカはなぜ助けてくれないのか!
(注-1)」(上記2-1:シリア情勢の膠着状態参照)
と叫ぶ者もいる。シリア軍の一部の兵士は自国民に
対する非人道的な行為に耐えられず離反し、
シリア国民評議会(SUC)あるいは反政権勢力である
自由シリア軍(FSA)に加わる元シリア軍兵士もいるが
戦力は推定約1万人程度かつ貧弱な火器装備で、
重武装のシリア軍約32万人に対抗できる十分な
戦力ではない。
その彼らが手にしている武器は欧州製の小火器
(ピストル、マシンガンなど)である。
つまり、密かにあるところから支援が行なわれて
いるということである。

他方、国外のシリア人はサッカーのシリアVS相手国戦
(事例:日本チーム)でアサド政権下のシリアチームを
応援せず、本来はシリア市民が応援するはずがない
シリアの対戦国チームに対して対戦国の国旗を掲げ
対戦国サポーター以上に熱く応援していたと報告。
アサド政権下のシリアチームを打ち砕くシリアの
対戦国チームを自分達のアサド政権打倒したい
国外のシリア人はその強い思いを試合に重ねているの
かもしれない。

(注-1)考察:アメリカ合衆国は本当に助けてくれる
のか?日本の安全保障は?
(前回のイラン攻撃:1.4で述べたことに追記する。)
プラハの春、チェコ動乱、ブダペストなどでは
当時多くの市民がアメリカ合衆国が助けてくれると
信じていた。しかしながら、時のアメリカ合衆国は
ソ連を盟主とするワルシャワ機構の一員である
ハンガリー、チェコスロバキアでの動乱は同機構内の
問題として、介入をしなかった前例もある。
当時多くのハンガリー、チェコスロバキア人は
アメリカに失望したと聞く。
今日も彼らの間ではアメリカ合衆国に対する疑問を
抱く者もいる。この問題と日米安保条約について
単純に比較することは禁物ではあるが、
過去の日本政府内でも何度も議論されている議案、
アメリカ合衆国が本当に有事の際に日米安保条約を
もとに日本防衛という行動を確実に取るという保障はない。
持論されること事態が、その問題について不確実性が
想定されているということだ。
したがって、今後の肥大化する中禍人民軍の存在、
予算削減で縮小するアメリカ軍だけに頼らず
日本国は最終的には自国軍による防衛に移行しなければ
ならない時が来る。
その上で
◆さらなる日欧米豪印同盟強化を行なう必要がある。
(このような事はドイツ連邦共和国の左派政権・
シュミット政権、シュレーダー政権下でも当然の事と
して過去から現在までドイツ連邦軍の存在意義を
進めてきた。
そこが日本の地に足がついていない意味不明の
白昼夢を見ているような親中禍・親朝鮮の左派政治家、
学者、メディアとは大きく異なる点である。)

このシリアの監視・密告社会について、
当時は外貨両替の際に体感した。マジシャンのよう
に手から消したヨルダンで両替した紙幣は
シリアの街々で手から出しそして使い果たして消えた
後のことだった。
通常、ソ連の影響かにあった東欧諸国(注-2)でも
当局の監視網から逃れることができる移動するタクシー内等
での闇両替は可能であった。他のアラブ諸国でも同様である。運転手の多くは闇両替を望んでいた。
むしろ外貨が欲しく喜んでしてくれた。
しかし、シリアではかなり拒否、または危険を伴う
(著者は体験していないが、運転手が密告する可能性は
ある。路上では密告、監視の目があり両替を拒む者が多い)
のではないかと感じさせるケース
(わざわざ公定レートの両替商の所へ連れて行く)
があった。
それでもタクシー内での闇両替はできたが・・・。
ヨルダンの銀行の忠告は正しかったことを思い出した。
公定レートでシリアに滞在すると他のアラブ諸国より
割高になる。

(注-2)冷戦時代の東欧、シリアなどはソ連や
北朝鮮のような外国人の監視を兼ねるガイド役は
いなかった。自由に動けた。但し、市民に溶け込んだ
私服の警官やカウンターインテリジェンスはいる。
それの存在は感じ取れた。
同じようにイスラエルでも彼らからは見知らぬ外国人
である著者を監視しているであろう不自然な事は
何度か感じ取れた。
(同じ人物達、エレサレムのホロコースト博物館であった
現地の紳士が同じホテルで再会し挨拶する。
男は宿泊客ではない。
あるいはドイツへ戻る前日に売店の女性と気楽に
話していた。翌日偶然にも、空港へのバス停で
彼女に再会し(偶然でなければセットである)
話し掛けられる。このような不自然な遭遇や挨拶など、
ホテルのレストランの同じ係りが数日は英語対応して
いたのにある日からドイツ語で対応するとか)
その他にわざとなのかヘタなのかわからないが
何度かそのようなことは感じ取れた。
イスラエルに敵対する意志がまったくないので、
そのサインを読み取らすために親しみを込める対応で
やり過ごしていた。

◆2-3-2-2中東における独裁政権の側面
このようなシリアの監視、密告社会と当時の前アサド独裁
政権故に、治安は逆に冷戦時代の東欧同様に良かった
という側面はあった。
このことは独裁者サダム・フセイン・イラク大統領が
去った後のイラクの混沌とした状況からも理解できるだろう。
部族社会的でもあり、欧米的な民主主義の精神、
思想が国民に根着いていないこの中東地域において
独裁が必ずしも否定的な政治システムとは言い切れるのか
という問題提議の対象となる側面もある。

例えばパキスタンを例にあげると、
カラッチやイスラムバードは著者が見た通り
確かに大都会であり、そこ人々は欧米の教育を
受けたり、情報があり民主的な世界観を持って者
もかなりいる。
他方、アフガニスタン辺境へ行けば、
日本の江戸時代かドイツとロシア辺境あたりにいた
中世から近代までいたコサックのような武装した
部族世界の価値観しかない人々がいる。
この現実から想像できると思うが、民主的に統治する
ことが安易にできない現実もある。

あるいは、ブッシュ政権がかつての親米であり、
アルカイダーと関係がないフセイン政権に対して、
テロのための戦争という大儀名文を掲げたが、本音は
石油のための戦争を遂行させた結果、この地域は
フセイン独裁政権下より現在は悲惨な内乱状況下に
なっており、連日爆弾テロなどが多発している。
同時に極めて不安定な影響をこの中東エリア全体に
与えている。
歴史に「もし」はないが、もしフセイン・イラク政権が
今日も健在であれば、現在のイランの核開発疑惑の
問題に対して直接アメリカ合衆国・イスラエルが
動くよりも、フセイン・イラク政権にも問題解決の代理
(第二次イラク・イラン戦争による両国の消耗させる
方法もある。これは平和ボケの日本人には理解できない
かも知れないが、非人道的であっても戦争を遂行、
支援する国にとっては常套手段である。
例:日露戦争において両国を支援した存在もいる)
をさせることもできたかもしれない。
イスラエル系の人物の中にはイラクを攻撃しないで
フセイン政権を温存させていた方がよかったかもしれない
と言う意見もある。

したがって、(2-1の一部を繰り返す)他のスニン派
アラブ諸国(裕福なアラビア半島の諸王国)は
現在のシーア派・アラウィ派アサド政権を批判する一方で、
自由化で新たな混沌となる勢力がシリアから自国
(オイルマネーで潤う裕福なスニン派のアラブの
諸王国で王制の廃止などの影響を与えるようなことが
ないように)へ広がることは望んでいないとも
見ることはできる。それは多くのアラブ諸国は
適度にスニン派シリア市民の支援とアサド政権批判
をする程度に留まっていると言ってもよい。
言い換えれば、シーア派・アラウィ派アサド政権が
スニン派市民と対話し、もう少し穏健路線を歩み、
シリアからパンドラの箱から出て行ったような
混乱や災いを国外に持ち出さないで欲しいというのが
スニン派の裕福なアラブ湾岸諸国の本音である。
現状ではアラブ諸国は“本腰”でシリアに軍事介入など
しようとは思っていない。
同じような理由から、裕福なアラブ湾岸諸国は
イランに対しての感情は必ずしも同情的ではない。
2-3-4参照  日本人に判るように言い換えれば、
同じ東洋人でも、人権問題やコピー商品、危険毒物食品問題
を抱える中国、あるいは拉致問題、核開発疑惑、
ミサイル問題を持つ北朝鮮に親近感を感じるかと
アンケートをとれば大半はそうでないのと同じような
ものである。イスラム世界、アラブ世界でも一枚岩ではない。

◆2-3-3シリアとイランの強い繋がり
同じイスラム教・シアー派の国家でもありシリアと
イランは今日も強い繋がり続いている。
当時のダマスカス市内で夜になるとターミナルや
モスク、欧米系ホテルでないホテルでは
シリア・バース党政権下の一般シリア国民
(西側の途上国の衣装と変わらない)と異なった
一種独特なムードを感じさせる黒衣のイラン女性達や
イラン人集団の移動を何度も目撃した。
ソ連以上にシリアとイランの強い繋がりを確認できた。
そして、偶像崇拝を禁じるためムハンマッドの肖像画を
禁じる一方、不思議な事に亡きホメニー師の肖像画も
いたるところに掲げられていた。(当時ホメニー師が亡く
なったばかりで国民は混沌としたイランへ入国するか
検討中だった。

シリアをはじめとする中東の旅程を組む際に、
女王陛下の大英帝国・ロンドン・ピカデリーサーカス
にあったルフトハンザー・ドイツ航空で、
顔なじみだったブルネットの魅力ある女性の予約係は
「ご要望のイランのフライトもダブルブッキングで
優先予約確保もできたから行きなさいよ。
こんなチャンスそうないわよ。」と笑顔で促した。
確かに彼女の言うとおりだった。が、リスクと
準備不足があるとして断念した。いずれ、
必ずイランへ行く機会がくるだろうとして
彼女の労をねぎらいキャンセルの意向を伝え
航空券の発券をお願いした。 
いずれは、・・・必ず心に願ったことは必ず叶うから・・・。

◆2-3-4裕福な湾岸のアラブ諸国(イエメン除く)のイラン
への感情
シリアに対する政治的理由、方針、感情などとほぼ
同じ理由から、裕福なアラブ諸国はイランに対しての
感情は同情的ではない。彼らの中には、イランへの戦争
によって石油価格高騰を望む者、あるいは核関連問題で
イランの政権の対応を好ましくない方針として
反発を感じている者もいる。このようなイランへの
反発した感情は、行動としてもあらわれる。
2012年4月11日イランのアフマディネジャド大統領
がアブサム島に訪問した。これはUAEに対する挑発行為
との受け止められた。この島と大トンブ、
小トンブ島の3島はUAEとイランとの間で領有権争いと
なっている。
この問題がこの時期に再浮上し、4月17日に湾岸諸国が
湾岸協力会議(GCC)を開催しイランへの手厳しい
批難声明を発表した事からも理解できよう。

シリア情勢についての報告はここで一通り終える。
 敬具
YUKI von MURATA>>
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_21世紀を迎えた今世界は混沌としています。日本もその渦て
政治経済ともに、国際的視点に立脚し欧州からの情報収集が不可欠に
なってきています。欧州の国際情勢を日記風にまとめドイツ滞在歴
40余年の経験を生かし、現地よりレポートします。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

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