■Yuki von Murata 氏からのシリア問題分析レポート その5)

16.なぜ第三次世界大戦になるのか
シリア・アサド政権崩壊後の明確なヴィジョンがない状況での、
シリアのイラク化はイスラエルにとっても、いずれ利益を生まない。
次に、イスラエル側の望みはイランへの核兵器製造施設への攻撃を
目指しているが、イランへのからの反撃にイスラエルは十分持ちこたえる
だけの戦力に限界がある。そこにアメリカの介入が必要となる。
イスラエル側にはアメリカがいざという時には軍事行動するであろうと
いう思惑がある。

が、現状のシリア。アサド政権の背後には、イランとロシアが控えている。
イラクの状況と異なり、ロシアへのシリア防衛の意思は強い。譲る意思はない。

従って、イスラエル及びアメリカ合衆国は、当初のシリア限定の
“短期の戦争”でなく、シリア、イラン、ロシアとの“長期の交戦”
を考慮しなければならない。その様な状況では欧州軍のこの地域での
参戦も要求される事になる。

それは必然的に、反欧米のイスラム過激派、テロ活動が活発になる。
欧州での混乱を引き起こす可能性が高い。

戦争を望む勢力はそれも織り込み済みであり、この中東地域
(北アフリカ、中東、西及び中央アジアまでの支配)の再統治の
構築を望んでいるからだ。

さらに、中東に釘づけになっているアメリカの動向次第では、
中国軍の動きに牽制をかけているアジア地域でのアメリカ軍の力が
弱まり、アジア地域での不安定要因が拡大することで、
戦争が拡大する可能性がある。やがて、アジアの不安は日本にも影響が出る。
(中国はこの機会を狙っている)

イスラエル及びアメリカ合衆国もイスラエルの存亡を避ける為には、
この中東地域での軍事作戦或いは戦時になった場合の
軍事作戦継続の戦費を負担する日本の安全保障が危ぶまれる状況は
避けなければならないはず。
日本の武装強化をさせ、資産を守るアジアのスイス化させる方が利益に
ならないだろうか?

中国の脅威から、日米安保によるアメリカ合衆国による防衛と
日本国の判断による国防軍の容認、日本経済の繁栄も必然的に必要となる。
過去のような、日本国を衰退させたクリントン大統領時代のような方針は、
イスラエル国家及びアメリカ合衆国の利益にはならないはず。

それに、中国はイスラエルの味方ではない。
中国は中国による世界制覇計画があるが、それはイスラエルの意向とは
異なる。ユダヤ人たちが欧米で築いた地位で活躍できるような状況を
中国は考えていない。
あるのは中国人による中国人を頂点とする指導のみのもとでの
世界の民族の統治しか眼中にない。
今は、彼ら中国は、イスラエルの味方の振りをしているだけだ。
イスラエルの利益にも沿った・・・その為の中国・朝鮮包囲網でもある。
私の判断では日本に不利な影響が行われない限りこの中国・朝鮮の内部で
何が行われようと関知しないはず。或いは協力するはずである。

話は戻るが、仮に日本がこの中東の戦争に巻き込まれなくても、
食料、石油、ガス、その他燃料、化学製品原料、航空機の飛行、
旅行、渡航、様々な影響を受けることになる。

日本人はこの中東情勢が、対岸の火でなく、極めて自分たちの命、
生活に直結しているという認識に立つ必要がある。
日本のメディアのどうでもいいニュースをヘッドラインにする
ぐらいならば、連日中東情勢とそれに関連する欧米露の報道をすべきである。

(日本人を愚民化するな!! 日本の民放をコントロールできないならば、
せめて日本国・総務省は、監督下の準国営のNHKのある種の反日的な
“偏向”報道姿勢を正すべきだ。できれば、現日本国政府が指導することを
強く望む。注:日本の民放は中国・南北朝鮮の第五列の工作員に
汚染されている。駆除すべき。)

このシリア問題でのイスラエルの生存の為の問題点
(注:私は元モサド長官と同じくイラン攻撃に反対する意見
に賛成する立場で記述する。)

イスラエル側のシリアの戦略・戦術に問題亜ある。
ネタニヤフ首相がプーチン大統領との会談でシリアをイラク化させること
明言した時点で、既に失敗している。
あの時点でプーチン大統領はシリア・アサド政権の防衛を更に強めたはず。

イスラエル側はシリア・アサド崩壊後のヴィジョンがない。
イラン攻撃の為の単なるシリアのイラク化がヴィジョンなら戦略上問題がある。

イスラエルはシリアのポスト・アサドの傀儡政権の樹立の模索を
すべきであった。必要があればロシアのシリアでの利益を損なわない
政権樹立を検討すべきであった。その条件を満たすのは難易であり
可能性は低いが、ネタニヤフ首相とプーチン大統領の会談では
その探り合い、ネゴができていなかった。

現状でのイスラエル側の戦略は、速やかにシリア・アサド政権打倒を
遂行させ、イランが核兵器を開発する前に、イラン攻撃したいようだが
現状では厳しい。

(国際政治及び軍事情報公開情報でも戦術レベルでは
アサド暗殺計画が期限までの遂行難易。その為、化学兵器による事故
による軍事介入作戦に移行となった。しかも、今回の事案で水面下の
作戦内容が公に露呈している。)

イスラエル側の立場で考慮すれば、このまま作戦を続けると
失敗する可能性が高い。このまま遂行すれば、さらなる不利な情報も
ロシアによって暴露されるだろう。状況次第では世界がイスラエルを
批判するという状況になる。それは、避ける必要がある。

他方、現状で戦争拡大ならばイスラエルの存亡が危ぶまれる。
それは断じて避けるべきである。そうなれば、戦争遂行を望む側は
大きな損失を被る可能性が高い。作戦を中断する方が賢明だと判断する。